はじめに

Claude CodeのRalph Wiggumプラグイン(通称ラルフループ)の記事を読んで、面白いと思ってやってみた。

ラルフループとは、AIエージェントを満足のいく答えが出るまで何度でも自律的にループさせる手法だ。名前の由来はアニメ「ザ・シンプソンズ」のキャラクター、ラルフ・ウィグム。

「これを掛け算の暗算に使ったら面白いんじゃないか?」

そこでふと思った。

「二桁の掛け算の暗算って、小学3年生でも使える良い方法ないかな?」

普通に考えれば自分で調べるところだが、ラルフループの実験がてら、AIエージェントに4人の天才学者を演じさせ、さらに批判的な小3男子にジャッジさせ、合格が出るまでループし続けるという実験をしてみた。

登場人物はこの4人:

  • 🤖 フォン・ノイマン(コンピュータ科学の父。アルゴリズム的思考)
  • ランダウ(ソ連の物理学者。辛口で本質主義)
  • 🌟 チャンドラセカール(インド出身の天体物理学者。美と対称性を愛する)
  • 🎩 アインシュタイン(説明不要。思考実験と直感の人)

そして審判は:

  • 👦 批判的な小3男子(正直すぎる。容赦なし)

第1ラウンド:みんな同じになった

最初の提案は壊滅的だった。

4人全員が「47を50に丸めて引く」か「4つに分解して足す」に収束。

小3男子の判定:

「は?4回も計算すんの?めんどくさすぎ。」 「こんなん覚えられるかよ。」 「おんなじじゃん。学者2人もいらないじゃん。」

天才4人、初回全員不合格。


第2ラウンド:ダメ出しを受けて再挑戦

批判を受けて4人が改良案を提出。ここで面白いことが起きた。

3人が「50丸め法」に収束するなか、チャンドラセカールだけが独自路線を出してきた。

23 × 47 = (35−12)(35+12) = 35² − 12² = 1225 − 144 = 1081

「23と47の真ん中は35、ズレは12。差の平方を使え」という対称法だ。

小3男子の反応:

「35²とか12²とか、小3がどうやって暗算すんの!?一番頭おかしい。完全にアウト。」

数学的に美しいが実用性ゼロ。完全にアウトと烙印を押された。


転機:インドの叡智

ここでひらめいた。

「チャンドラセカールはインド出身じゃないか。ヴェーダ数学を知ってるはず。」

チャンドラに聞いてみると——

「おお、ヴェーダ数学か!これこそ私の故郷インドの叡智だ!なぜ最初から気づかなかったのか!」

**ヴェーダ縦横法(Urdhva-Tiryagbhyam)**で23×47:

右縦:3×7 = 21  → 1を書いて2繰り上がり
交差:2×7 + 3×4 = 26、+2 = 28  → 8を書いて2繰り上がり
左縦:2×4 = 8、+2 = 10

答え:1081 ✓

小3男子の判定:

「交差のとこムズくね?でも九九だけだから意味わかる。ギリ合格。」

ギリ合格。 天才たちが何ラウンドもかけてやっとここまで来た。


核心の問い

ここで重要な問いが浮かぶ。

二桁×二桁の暗算は、どこかで必ず二回の掛け算が必要になる。その「二回目の掛け算」をいかに小さく・簡単にするか——それがポイントではないか?

4人に叩きつけると、ランダウが正直に白状した:

「完璧な答えはない。それが数学だ。」


最終的な完全合格メソッド

何ラウンドも経て、ついに小3男子から「完全合格!」が出た方法がこれだ。

✅ 方法①:対称な数ペアの掛け算

「足して割る、二乗して引く!」

19×21 → 真ん中20、ズレ1 → 20²-1 = 399
24×26 → 真ん中25、ズレ1 → 25²-1 = 624
23×27 → 真ん中25、ズレ2 → 25²-4 = 621

「使える場面がハッキリしてる!呪文みたいで覚えやすい。」

✅ 方法②:×5で終わる数の二乗

「前掛け次、シッポは25」

25² → 2×3=6 → 625
35² → 3×4=12 → 1225
45² → 4×5=20 → 2025

「これだけ使える場面がハッキリしてる!」

✅ 方法③:その他すべての二乗

「升目で解く」(アインシュタイン、前回不合格からの逆転)

23² = 20+3に分けて升目を描く:

[20×20=400] [20×3=60]
[3×20 =60 ] [3×3 = 9]

400+60+60+9 = 529

「絵を描くだけ!足すだけ!バカでもわかる。なんで他の人こんな簡単なことに気づかないの?」


まとめ

今日の実験から得た教訓:

  1. 天才でも最初の答えは凡庸になる(全員が同じ方法に収束)
  2. 批判は宝(小3男子のダメ出しが毎回本質を突いていた)
  3. 万能を諦めると強くなる(チャンドラの対称法は適用範囲を絞ったら完全合格)
  4. 不合格から逆転できる(アインシュタインは「絵がないと無理」と言われた後、絵を使う方法で優勝)
  5. ラルフループは強い(満足のいく答えが出るまで何度でも回せる)

そして最後に小3男子の一言が全てを締めた:

「なんで他の人こんな簡単なことに気づかないの?」

天才たちへのダメ出し、最高に気持ちよかった。


実験:2026-04-17 / いずみ(秘書室)